子どもの開咬の治療について
開咬とは
開咬(かいこう・オープンバイト)とは、奥歯を噛んだ時に、上下の前歯の間に大きな隙間が出き、前歯があたらなくなってしまう症状です。
どうして開咬になってしまうの?
子どもが開咬になる理由には、
- 遺伝的な要因
- 指しゃぶりやおしゃぶりの使用
- 舌クセや舌の位置(舌が前に出る習慣があると、歯が前に押しやすくなり発生しやすい)
- 口呼吸(口を開いて呼吸することで、口腔内の圧力バランスが崩れ、歯並びに影響を及ぼす)
などがあります。
開咬が及ぼすリスク
- 噛む力が均等に分散されず、食べ物を十分に咀嚼することが難しくなり、食事の効率や栄養の吸収に影響を与える可能性があります。
- 不正確なかみ合わせが続くことで、歯や歯ぐきに余分な圧力がかかり、痛みや不快感が生じる可能性があります。
- 開咬が進行すると、顎関節に不自然な負担がかかり、顎関節症の発症リスクが上がります。
- 歯が適切に重なっていないと、発音に支障が生じることがある。引いては、コミュニケーションに影響を与える可能性があります。
- 歯並びが整っていないことが、子どもの外見や自信に影響を当たることがあります。
どういった治療が適しているの?
当院では、あいうべ体操等のMFT(口腔筋機能療法/口腔トレーニング)、T4Kやマイオブレイス、プレオルソ使用による、正常な口腔内状態の獲得を目指します。
子どもの開咬の症例紹介
年齢・性別 | 2014年4月時点・女の子 |
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主訴 |
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検査 |
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治療計画 |
※1 口腔筋機能療法 |
経過 | なかなかトレーニングが進まず、八重歯が頬側から萌生してきましたが、なんとか正常な位置に歯列が収まりました。 |
治療期間 | 2014年4月~2018年12月 |
費用の目安 |
基本:108,000万円(税別)(壊れた器具の交換・修理料金を含む) トレーニング:1,000円/回 |
リスク・副作用 |
歯並びやかみ合わせが改善しますが、トレーニングができない場合、口腔内に器具が入れられない場合は、お受けいただけません。 (トレーニングをするのでほとんどのお子様は、お口の中に装着できる様になります) |
開始時(2014.4.28)
3年8ヶ月経過
八重歯が萌生
4年8ヶ月経過
開咬にならないための予防対策
歯科医院での治療が開咬の改善に必要ですが、日常生活のなかでできる予防もあります。
- 定期的な歯科検診: 歯科医院で定期的な検診を受け、歯並びやかみ合わせに問題がないか確認しましょう。早期に問題を発見することが予防につながります。
- 正しい歯磨き習慣: 正しい歯みがき習慣を身につけることで、歯や歯ぐきの健康を保ち、不正確なかみ合わせを予防できます。
- 指しゃぶりやおしゃぶりの制限: 長時間の指しゃぶりやおしゃぶりの使用は、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。早めにやめさせるように心がけましょう。
- 舌や唇の癖の改善: 舌や唇の癖がある場合は、早めに専門家の指導を受け、改善するようにしましょう。
- 口腔トレーニングの実施: あいうべ体操など、舌や口の周りの筋肉を鍛えるための口腔トレーニングを行うことで、正しい舌の位置や咀嚼の動作を促進できます。
- バランスのとれた食事: 柔らかい食べ物ばかりではなく、噛む力が必要な食材も食べましょう。
以上の予防対策を実践することで、歯の開咬のリスクを減らし、健康な口腔状態を維持することができます。
定期的な歯科医師の診察とアドバイスに従うことが大切です。