子どもの交叉咬合(こうさこうごう)の治療について | 岡山市南区福成 歯科たけむらクリニック

子どもの交叉咬合の治療について

交叉咬合とは

交叉咬合のイラスト

交叉咬合(こうさこうごう)とは、上下の歯並びが途中で交叉してしまっている状態を指します。


どうして交叉咬合になってしまうの?

子どもが交叉咬合になる理由には、

  • 遺伝的な要因
  • 歯の成長過程でのトラブル(スペースや位置にトラブルが生じること)
  • クセの影響(舌を前に押したり、唇を下に引いたりする等の口腔内のクセ、指しゃぶり)
  • 乳歯の早期喪失(乳歯が早く抜け、永久歯が生える際に歯が上手く配置されなかった)
  • 口呼吸(口を開いて呼吸することは、歯の位置に悪影響を及ぼすことがあります)

などがあります。


交叉咬合が及ぼすリスク

交叉咬合が及ぼすリスク

  • 噛む動作が正しく行えず、食べ物を十分に噛むことが難しくなる可能性があります。
  • 歯のすり減りや摩耗が起きやすくなります。
  • 歯みがきが難しくなり、口臭や虫歯、歯周病のリスクが上がります。
  • 顎関節に不自然な圧力がかかり、顎関節症の発症リスクが上がります。
  • 歯並びが整っていないことが、子どもの外見や自信に影響を当たることがあります。
  • 成長期に交叉咬合のままだと、顎が曲がって成長してしまうことがあります。


どういった治療が適しているの?

当院では、あいうべ体操等のMFT(口腔筋機能療法/口腔トレーニング)、T4Kやマイオブレイス、プレオルソ使用による、正常な口腔内状態の獲得を目指します。


子どもの交叉咬合の症例紹介

年齢・性別 7歳(2018年10月時点)・女の子
主訴
  • 他医院で矯正歯科での治療を勧められた
  • 歯並びが気になる
  • ポカン口
  • 口臭
検査
  • 低位舌(舌が正常な位置よりも下にある状態)
  • 口呼吸
  • 姿勢が悪い(内股)

以上のことから「交叉咬合」と診断

治療計画
  • 鼻呼吸トレーニング
  • あいうべ体操
  • MFT ※1
  • ムーシールドを使用しながらの嚥下位のトレーニング
  • T4K

※1 口腔筋機能療法

経過 ムーシールドで前歯の交叉咬合(クロスバイト)は変化が出ましたが、奥歯が安定せず。
顎骨を広げるため、ポーター(歯列全体を拡大する矯正装置)を装着。
マウスピースを入れたままの状態でポールの上でバランス姿勢のトレーニングをしてもらっている。
治療期間 2018年10月~2023年3月
費用の目安 基本:15万円(壊れた器具の交換・修理料金を含む)
ポーター:38,000円(税別)
トレーニング:1,000円/回
リスク・副作用 歯並びやかみ合わせが改善しますが、トレーニングができない場合、口腔内に器具が入れられない場合は、お受けいただけません。
(トレーニングをするのでほとんどのお子様は、お口の中に装着できる様になります)
開始時

2年経過

2年6ヶ月経過

ポーター装着

4年5ヶ月経過



交叉咬合にならないための予防対策

歯科医院での治療が叢生の改善に必要ですが、日常生活のなかでできる予防もあります。

  • 定期的な歯科検診: 子どもの歯並びが気になる場合や、歯が生え揃う前にも歯科検診を受けることで、早期に問題を発見しやすくなります。
  • 正しい歯磨き習慣: 正しい歯みがき習慣を身につけることで、歯や歯ぐきの健康を保ち、不正確なかみ合わせを予防できます。
  • 口腔トレーニングの実施: あいうべ体操など、舌や口の周りの筋肉を鍛えるための口腔トレーニングを行うことで、正しい舌の位置や咀嚼の動作を促進できます。
  • バランスのとれた食事: 柔らかい食べ物ばかりではなく、噛む力が必要な食材も食べましょう。

これらの予防法は、交叉咬合のリスクを低減するために役立ちます。
こどもの正しい口の発達を促す環境を提供し、定期的な歯科ケアを受けることが重要です。