特に入れ歯治療については、こだわりをもって取り組んでいます。
世の中に、入れ歯であきらめてしまった人の多さを痛感し、歯科医師として治療するだけでなく、本物の入れ歯とは何ぞや!というところを紹介できればと思っています。
紹介し始めると大変な量になりますので、一度に全てはご紹介できませんので、徐々にお知らせしていきます。
では、治療後、驚くぐらい表情が変わったおばあちゃんの症例から。
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主訴(しゅそ)
患者さんが歯科医者に訴える症状の主要なもののことを主訴といいます。
要するに、「患者さんがどんな悩みで来られたか」ですね。
色々と難しく歯学用語を並べてしまいそうになりますが、簡単にすると「この入れ歯ではかめない」です。
診査では、荷重の不均衡、空間異常による筋肉不均衡、粘膜異常など多くの問題が明らかになりました。
「かめる」を取り戻すには、筋肉をリハビリしながら、精度の高い入れ歯作りを、長期にわたり進めていかなくてはなりません。
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治療用入れ歯と完成入れ歯
診査から、2年にわたり治療、調整を繰り返していきました。
治療用の義歯を2回作成し、最終義歯にたどり着くことになります。
治療用の義歯を複数作るのは、咀嚼筋や表情筋が正常に変化してくるためです。
例えば、1ヶ月入院をしても、足の筋肉が大きく衰え、痩せてしまうのはご存知だと思います。口腔内も同様なのです。
下の写真は、義歯の経緯になります。
小さいかも知れませんが、歯ぐきの部分が変わっていく様子が確認できます。
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入れ歯(義歯)の完成とリハビリの完了
口腔内に入れ歯の様なものが入っているだけでは、意味がありません。
かめる(咬める・噛める)を目的としたのが入れ歯です。
よって、入れ歯の治療は患者の筋肉、アゴのコントロール、そして最適な入れ歯作りにあります。
以前の状態に復活させることが歯科医師の役目になります。
完成した時の、お婆ちゃんの喜び、そして、こんな笑顔を持っていたことの驚き。
歯科医師として満足のいく治療となりました。
※参考までに、下の写真のパレットの絵の具のようなもの。
これは、噛み合わせを調べるものです。左が術前、右が術後です。
左はかみ合わせがぐらぐらしてコントロールできていません。
右になると、打点が線上となり、しっかりと噛み合わせ出来ていることがうかがえます。
※入れ歯治療工程は、「入れ歯治療」のページを参考にしてください。 |
※この治療が雑誌に掲載されました。「歯科技工」 |