子どもの過蓋咬合(噛み合わせが深い)の治療について | 岡山市南区福成 歯科たけむらクリニック

子どもの過蓋咬合(噛み合わせが深い)の治療について

過蓋咬合とは

過蓋咬合のイラスト

奥歯で噛んだ時に前から見ると下の前歯が見えない状態を過蓋咬合(かがいこうごう)と言います。

過蓋咬合になると、舌が動くスペースが少なくなります。唾液に含まれる口腔内の細菌を抑制するフッ素や、身体に悪さをするウイルスや細菌などの病原体と戦い、病気や感染から守ってくれるIgAという免疫物質(抗体)が出にくくなります。
細菌やウイルスが1個体内に侵入しただけでは影響はありませんが、たくさん侵入すると病気や感染症にかかってしまいます。

参照
オーラルウェルネス推進委員会:感染の水際対策 | 口腔免疫IgA(新しい画面で開きます。)


どうして過蓋咬合になってしまうの?

子どもの過蓋咬合は、

  • 口腔機能(噛み飲み込む・発音・唇を閉じる)をしっかり使っていない
  • 前歯でしっかり噛んでいない

ことが原因として考えられます。


どういった治療が適しているの?

T4Kやマイオブレイス、プレオルソを使用しながら育成口腔周囲筋のトレーニングを行うことで、正常な前歯の重なり合う状態を獲得します。

T4Kやマイオブレイス、プレオルソ、育成口腔周囲筋のトレーニング

子どもの過蓋咬合の症例紹介

年齢・性別 5歳(2022年2月時点)・女の子
主訴 幼稚園の歯科検診で過蓋咬合の指摘があり、治療を希望されました。
検査 上の前歯で下唇を噛むくせがあり、なかなか咬んで飲み込むことが苦手で、ミカンの皮などはずっとクチャクチャして飲み込めない。
治療計画 今回は保育園児と年齢も低く、乳歯列期※1だったので、Vキッズという下の歯にのせるマウスピースから使用することにしました。
口腔周囲筋を動かすMFT※2をしてもらいました。
また、鼻をつまみながら鼻呼吸のトレーニングもしてもらいました。

※1 永久歯が生え始める6歳頃までの期間
※2 口腔筋機能療法

経過 約6ヶ月で噛み合わせも高くなり、歯と歯の間もすきまが少しあいてきた様子。
永久歯がはえてきた段階で、Vキッズは卒業。今後はマイオブレイス(T4K)へ移行していきたいと思います。
治療期間 2022年2月~継続中
費用の目安 基本:20万円(壊れた器具の交換・修理料金を含む)
トレーニング:1,000円/回
リスク・副作用 歯並びやかみ合わせが改善しますが、トレーニングができない場合、口腔内に器具が入れられない場合は、お受けいただけません。
(トレーニングをするのでほとんどのお子様は、お口の中に装着できる様になります)
開始時

子どもの過蓋咬合の症例紹介(開始時)

6ヶ月後

子どもの過蓋咬合の症例紹介(6ヶ月後)

過蓋咬合にならないための予防対策

歯科医院での治療が過蓋咬合の改善に必要ですが、姿勢や口の動かし方など、日常生活のなかでできる予防もあります。

ご飯を食べる時、以下のことを意識してみましょう。
上手くこの流れができると、キレイな歯並びになりますよ。

  • 1.とらえる(捕食)

    くちびるの筋肉を使って前歯でとらえる

  • 2.かむ(咀嚼)

    咬筋※を使って奥歯で噛む

    ※顎を動かす時に使う筋肉

  • 3.飲み込む(嚥下)

    舌の筋肉を使って飲み込む

    舌を上顎に吸いつけて、ゴックンと飲み込みます。