子どもの上顎前突(出っ歯)の治療について | 岡山市南区福成 歯科たけむらクリニック

子どもの上顎前突の治療について

上顎前突とは

上顎前突のイラスト

上顎前突(じょうがくぜんとつ)とは、顔の骨の一部である上顎骨(じょうがくこつ)が前方に突き出ている状態を指します。この状態は、一般的に「出っ歯」と呼ばれることもあります。

上顎前突は、顎の位置が正常な範囲から前方に突出しているため、口元が突き出て見える特徴的な顔の形を生じます。この状態になると、上下の歯が正しく噛み合わず、咀嚼や発音に問題が生じることがあります。


どうして上顎前突になってしまうの?

上顎前突になる要因

こどもが上顎前突になる理由は、遺伝的な要素咬合習慣による影響があります。

遺伝によって顎の形や歯の位置に異常が生じ、指しゃぶりや舌の位置の異常などの咬合習慣が加わることで上顎前突が引き起こされることがあります。


上顎前突が及ぼすリスク

  • 噛むことや食事が困難になる場合がある
  • 発音がはっきりしなくなる場合があり、話し方に支障をきたす可能性
  • 歯のすり減りや歯周病のリスクが増加する可能性
  • 口が開いていると虫歯のリスク、口臭のリスクが増加する可能性もある
  • 見た目に特徴的な顔の形を生じるため、自尊心や自己イメージに影響を与え、社会的な不安や心理的な負担を感じる場合がある


どういった治療が適しているの?

あいうべ体操等のMFT(口腔筋機能療法)を行ったり、T4Kやマイオブレイス、プレオルソ使用により、正常な口腔内の状態を獲得します。

T4Kやマイオブレイス、プレオルソ、育成口腔周囲筋のトレーニング

子どもの上顎前突の症例紹介

年齢・性別 7歳(2014年8月時点)・男の子
主訴
  • 他院で矯正治療が必要(重症)だと言われた
  • 前歯が出ている
  • 食事中に物をよく落とす、食べるのが遅い
  • 歯ぎしり
検査
  • ポカン口
  • 口呼吸
  • 舌癖あり ※1
  • 常に口が開いている

※1 舌癖とは、日常生活の中で気付かないうちに歯の間から舌が出ていたり、舌を歯に押し付けるような動きをすること

絵本を読んでいる時、右側に口角からよだれが垂れそうになる。
垂れそうになると口で息を吸って垂れないようにするが、その時も口は閉まらない。

治療計画
  • 鼻呼吸トレーニング
  • あいうべ体操
  • MFT ※2
  • ムーシールドを使用しながらの嚥下位のトレーニング
  • T4K

※2 口腔筋機能療法

経過
  • 口を閉じて鼻呼吸ができるようになり、T4Kを就寝時(口テープ使用)着用することにより、出ていた前歯が引っ込む
  • つばを飲むトレーニングや発音のトレーニングをすると、上顎と下顎の前歯のすき間が閉じてくる
治療期間 2014年8月~2018年2月頃まで
(遠方からの来院、ご希望の状態まで完了したので終了)
費用の目安 基本:10.8万円(壊れた器具の交換・修理料金を含む)
トレーニング:1,000円/回
リスク・副作用 歯並びやかみ合わせが改善しますが、トレーニングができない場合、口腔内に器具が入れられない場合は、お受けいただけません。
(トレーニングをするのでほとんどのお子様は、お口の中に装着できる様になります)
開始時

子どもの上顎前突の症例紹介(開始時)

3年6ヶ月経過

子どもの上顎前突の症例紹介(開始時)

上顎前突にならないための予防対策

上顎前突にならないための予防対策

  • 正しい口の閉じ方の習慣を促す
    こどもには、口を閉じた状態で鼻呼吸をする習慣を促すことが重要です。口を開けたままの呼吸や舌の位置の乱れが上顎前突を引き起こす原因になる場合があります。
  • 指しゃぶりやおしゃぶりの制限
    長期間にわたる指しゃぶりやおしゃぶりの使用は、上顎前突のリスクを高めることがあります。指しゃぶりやおしゃぶりの使用を制限し、正しい口の発達を促すことが大切です。
  • 適切な食事と咀嚼習慣の促進
    食物の適切な咀嚼は、上顎の発育や噛み合わせの形成に重要です。食事には、柔らかい食材や噛みごたえのある食材をバランスよく取り入れ、咀嚼習慣を促進することが必要です。
  • 正しい口腔ケアの習慣化
    正しい口腔ケアを維持することも予防に役立ちます。歯磨きや歯間清掃を適切に行い、歯や口の健康を保つことが大切です。
  • 定期的な歯科チェックアップ
    こどもの歯科チェックアップは、早期の上顎前突の兆候を発見するために重要です。定期的な歯科診察を受け、歯科医師による評価と適切なケアを受けることが予防につながります。

これらの予防法は、上顎前突のリスクを低減するために役立ちます。
こどもの正しい口の発達を促す環境を提供し、定期的な歯科ケアを受けることが重要です。