子どもの叢生の治療について
叢生とは
叢生(そうせい)とは、歯の大きさと顎の大きさがアンバランスのため、歯が部分的に重なってしまい、歯が不ぞろいでデコボコに生えている歯並びの事です。
別名「乱杭歯(らんぐいば)」ともいい、前歯の生え変わりの時期に仕上げ磨きをしている時に気付かれることが多いと思います。
どうして叢生になってしまうの?
こどもが叢生になる理由は、遺伝的な要素や歯の形成異常、母体の妊娠中や出生後の環境の影響などが関与しています。これらの要因が組み合わさることで、通常よりも多くの歯が生じる場合があります。
叢生が及ぼすリスク
- 噛み合わせが正常に形成されず、食べ物を噛むことや食事の摂取が困難になる場合がある
- 歯の配置が乱れることがあり、歯並びの美しさや見た目に影響を与える可能性がある
- 歯と歯茎の間や歯と歯の間に食物がたまりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが増加する可能性がある
どういった治療が適しているの?
まず乳歯が生えそろったら、歯口育成検診が重要です。
上顎骨の臨界期 ※1 が終わるまで(乳歯列期)に、Vキッズやチューブで咬むトレーニング、鼻呼吸(鼻をかむトレ)が重要だと考えています。
※1 上顎骨の臨界期とは、生体の発達の初期にある刺激(経験)が生体の発達に最もよく現れる時期。4~5歳までで80%、6歳で90%成長します。
子どもの叢生の症例紹介
年齢・性別 | 7歳(2017年4月時点)・男の子 |
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主訴 |
お母さんが矯正していたが大変だったので子どもには違う方法で、と思われている。 |
検査 |
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治療計画 |
※2 口腔筋機能療法 |
経過 |
T4Kが少しずつ使用できるようになると、まず下顎の前歯に変化が出てくる。 全体的にスペースが狭く八重歯になりそうでしたが、がんばってセットしてくれたので、上手く並びました。 |
治療期間 | 2017年4月~2022年1月 |
費用の目安 |
基本:15万円(壊れた器具の交換・修理料金を含む) トレーニング:1,000円/回 |
リスク・副作用 |
歯並びやかみ合わせが改善しますが、トレーニングができない場合、口腔内に器具が入れられない場合は、お受けいただけません。 (トレーニングをするのでほとんどのお子様は、お口の中に装着できる様になります) |
開始時
4年9ヶ月経過
叢生にならないための予防対策
歯科医院での治療が叢生の改善に必要ですが、日常生活のなかでできる予防もあります。
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定期的な歯科検診
こどもの定期的な歯科検診は、叢生の早期発見や予防に役立ちます。定期的な検診で歯の健康状態を確認し、必要な処置やケアを受けることが重要です。 -
正しい歯磨きの習慣
こどもには、適切な歯磨きの習慣を身につけさせることが大切です。歯ブラシを正しく使い、毎日2回の歯磨きを行うことで、歯の健康を保つことができます。 -
食事のバランスと咀嚼の促進
健康的な食事を提供し、咀嚼の習慣を促進します。食物の咀嚼は歯の発育にも影響を与えるため、適切な咀嚼習慣を身につけることが叢生予防に役立ちます。 -
口呼吸や指しゃぶりの制限
口呼吸や指しゃぶりなどの習慣は、叢生を引き起こす原因となることがあります。こどもの口呼吸や指しゃぶりの習慣を適度に制限し、正常な口の発達を促すことが重要です。 -
正しい口の閉じ方の習慣
こどもには、口を閉じた状態で鼻呼吸をする習慣を促すことが重要です。口を開けたままの呼吸や舌の位置の乱れが叢生を引き起こす原因になる場合があります。
これらの予防法を実践することで、こどもの叢生のリスクを低減することができます。
定期的な歯科検診、正しい歯磨きや食事、口の習慣に注意を払い、健康な口の発達をサポートしましょう。