小児歯科
子どもをもってわかることがありました。 |
小児歯科の流れ
基本的な小児の定期健診(リコール)の流れをご紹介します。検診よりも虫歯治療を優先する場合は、順番や内容を変えてさせていただきます。検診も治療も基本的には母子ともご一緒に受けていただき、検診や治療の内容をしっかりと理解いただければと思っています。また、小児治療に関しては、基本的に真美医師が受け持つ予定になっております。ただ、曜日や緊急の場合、院長が治療する場合がありますので、ご理解いただきたいと思います。
問診
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食べ物の好き嫌いや、普段している遊びやスポーツなど色々な事を沢山聞かせてください。
もちろん、お母様が気にされている事や疑問に思っている事なども聞かせて下さい。 |
口腔内診査
(だ液検査) |
お口の中を見せていただきます。拝見できない場合でも大丈夫です。少しずつ歯科医院になれていただきステップアップしていきます。そして、汚れを取る前に歯の細菌の強さを調べる検査を予防管理の為おすすめしています。
※カリオスタット(むし歯予測試験法) |
歯垢(プラーク)
染め出し |
汚れている所が染まる液がありますので、そちらでプラークを染めて、どこが磨けてないか一緒に見ましょう。
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アドバイス
食生活 ブラッシング |
磨き方のコツや補助清掃用具の使い方、食生活の注意などをアドバイスさせていただきます。
分からないことは遠慮なく何でも聞いて下さいね。 |
歯面清掃
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歯ブラシや機械を使って歯の汚れをきれいに落としていきます。
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虫歯チェック
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ダイアグノデントという機械で虫歯の有無を調べていきます。
〈ダイアグノデント〉 必要以上に歯を削らないよう、レーザーによる虫歯の発見、診断をしています。この機械により治療が必要な虫歯かが判定できます。 |
フッ素塗布
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最後にフッ素を塗って終わりです。30分はご飲食できません。
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※カリオスタット検査(虫歯予測試験法)とは?
歯垢中の細菌が酸を産生する力の強さを調べます。 だ液を取り出して培養し検査で調査します。酸などが多い程液の色が青→緑→黄緑→黄となり、虫歯に対する危険信号を示します。
小児歯科よくある質問
妊婦さん編
妊娠中、なにか気をつけることは?
おなかの中の赤ちゃんは、妊娠5~9週で乳歯の形ができ、妊娠3~4ヶ月から永久歯の形ができ始めます。
歯質は家系や生育環境の影響を受けますが、妊娠中から栄養のバランスを配慮し、カルシウム・たんぱく質・ビタミンACDなどを積極的に摂取して、丈夫な歯質を育てましょう。
妊娠するとホルモンの変化により唾液の酸性度が高まります。また、味や好みの変化によって甘いものを食べる機会が増えるなど、お口の中が虫歯になりやすい環境になります。子供が生まれ離乳食を与えるようになると、ふだんより丁寧にお手入れをして、出産後も元気に子育てできるよう整えておきましょう。
アドバイス
胎児には妊婦の状態が大きく影響します。低出生体重児には、よく言われる喫煙や飲酒のほかに、お口の衛生状態も原因となるとされています。充分な注意をお奨めします。
妊婦健診はありますか?
妊娠中はお口の中のホルモンバランスが崩れやすく、つわりや疲れにより炎症を起こしやすくなってしまいます。お母さんのお口の中の状態が良くないと、胎児にも影響すると言われています。
是非、検診とメンテナンスを受けて健康な状態で赤ちゃんを迎えてください。
アドバイス
私自身、出産経験があります。身をもって何が良くて、何が失敗したかと色々と経験することが出来ました。安心して出産できるよう色々とアドバイスさせてくださいね。
赤ちゃん編
乳歯の役割って何ですか?
顎の中では毎日永久歯が成長し、顎そのものも永久歯が生えてくるために成長しています。永久歯が成長すると乳歯の根は吸収されて短くなり、正しく生える場所に永久歯を導いているのです。そのため乳歯をむし歯のない良い常態に保つことで永久歯にも良い状態を引き継ぐことになります。抜け変わるため乳歯の虫歯であれば大丈夫などと安易に考えることは注意して下さい。
赤ちゃんに虫歯予防はなぜ必要なの?
乳歯は、生後6ヶ月くらいから生え始め、3歳くらいでほぼ生え終わります。その後、6歳ごろから次々に永久歯に生え変わり、12歳くらいでほぼ生えそろいます。つまり人の一生の中で乳歯を使う期間は10年くらいです。けれど、この10年間に乳歯は大切な役割を果たします。乳歯に虫歯ができると色々な弊害が起こり、正しい「口の働き」ができなくなってしまいます。
また、永久歯は出生時から顎の中で育成されていきますので、乳歯を健康に保つことは永久歯のためにも重要です。
まだ乳歯も生えそろっていないのですが、今やっておくべきことは?
まずよく噛むことです。食べ物を噛むことで食物の消化、吸収が良くなります。
よく噛む事は正しい噛む能力を育て、そして食べる楽しみなど心の面も発達させます。
口の周りにはたくさんの神経が集まっているので、噛む刺激は脳の発達にもよい影響があるといわれています。
そしてよく話すこと。乳幼児期はたくさんの言葉を習得していく時期です。良い歯がそろうことで発音も正しく育ちます。
前歯が生え始めたら?(6か月~)
歯磨きスタートに備えて、生えてきた歯の周辺を濡らしたガーゼで拭いてください。
下の歯は唾液で洗われている状態なので、無理することはありません。
上の歯を優先して大泣きしない程度で無理せず。
大泣きするとか嫌がる場合は、食後のお茶や湯冷ましを飲ませて、口の中をきれいにする程度でもよいでしょう。
前歯が上下生えそろったら ?(1歳3か月頃)
上の前歯は下の歯に比べて汚れやすいので、濡らしたガーゼで拭きます。食後はコップでお茶や水を飲むことを習慣にしましょう。(哺乳瓶などの吸い口のあるものは喉に流し込むだけで口の中はきれいになりませんので。出来るだけコップをお使い下さい。)歯ブラシを持たせたり、口にくわえさせるなど歯ブラシに慣れさせましょう。
アドバイス
歯が揃ってきましたね。親子で食後の歯磨きの習慣が出来るとよいです。どうしても、人に口の中を触られるのは慣れないものです。遊び感覚で歯ブラシ習慣をつけましょう。
奥歯が出てきたら?(1歳6か月頃)
奥歯はくぼみや溝があり、汚れが落ちにくいところです。出来れば、仕上げ磨きが出来るといいですね。
遊び感覚で歯ブラシを持たせて、自由にさせるのも効果的です。
両親も歯磨きを一緒にしてあげて家族で習慣づけし、慣れさせるとよいでしょう。
赤ちゃんに口移しで物を与えても大丈夫?
虫歯菌(ミュータンス菌)の感染ルートはたったひとつだけ!
人の口から口へというルートを通じて感染していきます!
なかでも母親から・家族から乳幼児に感染するケースが多く、生後6ヶ月から1歳ぐらいまでの間がピークといわれています。離乳食を与える時に味や温度を確かめようと赤ちゃん用のスプーンで味見をしてしまいがちです。お母さんの唾液に混じった虫歯菌がスプーンを介して赤ちゃんの口にもうつってしまうのです。子供への虫歯の感染リスクを低くするには、お母さんが持つ虫歯菌の量を減らし、できるだけ虫歯菌の住み家を作らないことが重要です。
アドバイス
おじいちゃんおばあちゃんが可愛さのあまり・・・。厳しく注意できませんし・・・。
出来る限り、気をつけるようにしていただけるように、ご家族の皆さんには事前に理解を得ておくとよいですね。
母乳って虫歯菌の原因になるの?
マタニティー説明会やインターネットでも誤解の多い表現が見受けられますが、母乳のみの摂取では虫歯にはなりません。
母乳に含まれている乳糖だけでは歯垢が出来ないので、虫歯にはほとんどならないといえます。
しかし、母乳以外の飲食物を与えるようになれば、ショ糖(砂糖)が含まれている食品により歯垢がつき、虫歯になります。
つまり、日中にショ糖(砂糖)の含まれる離乳食やジュース等を与えて寝かしつける時に母乳を与えていると、日中に形成された歯垢の中で母乳が分離されて虫歯になってしまいます。
アドバイス
虫歯になりやすいからといって無理やり卒乳はお奨めしません。大切なのは親子のコミュニケーションです。
母乳だけでは虫歯になりませんし、飲食に気をつければ虫歯の対策になりますよ。
赤ちゃんの歯を虫歯から守るには?
食に関わることはお父さん、お母さん以外知ってもらわないといけません。
同居でなくても可愛いお子さんと遊びに来られるおじいちゃん、おばあちゃんや、親戚の皆さん・・・。たくさんの方が関係してきますね。
出来る限り、みなさんに協力いただけるよう事前にお話し、お子さんのお菓子や飲み物の与え方を統一し守っていただくように心がけてください。
お父さんとお母さんがお子さんの食べ物を注意するだけでなく、周りのおじいちゃん、おばあちゃんやご家族みなさんで注意していただきたいと思います。
歯に対する知識をたくさん吸収し、共有してご家族全員で健康的な生活を守っていきましょう。
フッ素・シーラント編
シーラントについて教えてください。
奥歯の噛み合わせの面には、細かく小さな溝があります。この溝は私達が目で見るよりとても深く複雑な形をしています。
食べかすも溜まりやすく、歯ブラシも十分にあたらない場合が多く、プラーク(歯垢)も取り除きにくいため、時に虫歯になりやすい部分です。
そこで、歯は削らずにその溝にシーラントという液体の樹脂を詰めて、汚れが溜まりにくく歯ブラシが当たりやすい表面にします。
シーラントは削らずに詰めるため、長期の使用で脱落する可能性があります。経過観察が必要ですので、定期的な検診をお受け下さい。保険治療です。
フッ素について教えてください。
生えてきたばかりの歯は成熟するまでに数年かかります。
フッ素は硬化促進の役割を果たし、固く丈夫な歯を作ります。
酸で溶け始めた歯(ごく初期の脱灰)を自然に再修復してくれます。
フッ素を塗布することで、歯の表面にフルオロアパタイトを生成し、酸性に強いエナメル質を形成します。
細菌の働きを抑制して酸が作られるのをおさえます。酸に丈夫な歯を作ります。
フッ素は安全なものなの?
フッ素は自然界の物質であり、私たちが毎日食べるものの中にも含まれています。
一度に大量に摂取すれば害になることがありますが、普段の生活や歯科医院でのフッ素塗布は問題ありません。
えびなどの殻や小魚の骨にも、とても多くフッ素は含まれています。
好き嫌いせずいっぱい食べましょう!!